祖父との再会

 数時間にわたる昼寝を敢行したところ、その甲斐あって夢の中とはいえ今は亡い祖父に再会できた。長い夢で、2本立て以上だったが、2本のみ書いておく。
 現実にはあり得ないことが残念だが、恋人と旅に出ていた。過去に彼女と別の男との間に生まれた子供を養子に迎えることが目的の旅のようだったが、錯綜しているのでよくわからない。ある海岸で知己の夫妻に出会い、その後西上して夕暮れの大和盆地で生駒山を眺めつつ、これから橿原を目指すようだった。
 私が空の酒瓶を持って1階に降りていくと、10年前のがっしりした背広姿で祖父が立っていた。私は酒瓶について言い訳をし、今後、酒ははなるべく避けると詫びた。祖父は何も言わず笑っているようだった。私は別れの場であることを悟り、祖父に握手を求めた。握手の後、抱き合ったところで目が覚めた。起きた後もその感触が残っていて、悲しかった。夢現実通して私のような外道が、祖父とはいえ人の死を自分の損失として悲しむだけでなく本人を想い悼むのというのは、実に意外と言わざるを得ない。