断片集〜メビウスの輪にて

1.自己の確定

 私は自分のためなら他人のことはどうでもよいと考えている.

2.私への疑心

 私は私が確信してきた物事を疑った.なぜ,どうしてそんな確信を抱くようになったのかが曖昧だ.何時,何処とはもってのほか.もしかするとそんな確信はいつの間にか作り上げた虚構で,あるいは洗脳したかされてしまっただけなのかもしれない.私は,私を疑い出す.でも,私は信じたいものはいつでも信じられる.今は信じるということがブレただけなのかもしれない.

3.自由

 ああ,世界は素晴らしい.こんなにも私は醜くて汚れているけど,それでも世界は相変わらず何色にも染まらず,自由なんだ.

0.メビウスの輪

 メビウスの輪は,面白い.そのねじれは,言うなれば可能性.輪の上を歩く自分を想像しよう.輪の内側,外側の両方の世界を行き来できる.ねじれがなければ,どちらか片方のみしか認識できず,もう一方の世界の存在など知る由もない.そういえば,ねじれに気付かなければ輪の内側と外側という境界など認識されないことになる.そして,いずれにしても輪であることに気付かなければその道は永遠なのだ.面白い,世の中は本当に面白い.