「死んだらどうなるの?」

 タイトルに惹かれて購入したのだが,「死んだらどうなるの?」(玄侑宗久著.ちくまプリマー新書)を読んだ.玄侑さん流の読み手にフレンドリーな書き方は大変有り難い.さて,この本は,死んだらどうなるのだろうかという疑問に対して答えるのではなく,生というものを仏教的に捉えなおすことに力を入れている.以下は,著者の言わんとしていることとは違うかもしれないが,この際誤解を恐れずに私が信じていることを書き連ねてみよう.
 自らが「生」と認識しているものは,物事に対する反応であるという相対的概念であるという.私の解釈では,仏教で言う「識」が「生(=自身)」であるという思い込みであり,この思い込みを取り除こうという努力が悟りではないかと考えている.そして,「生」を「空」に解き放つ(色即是空)ことが,自由で最高の境地に立つことなのだと思う.この考え方で最初に戻ると,「生(=空)」と「物事」との反応が識(=色)として現れる(空即是色)と言えるのではないか.このような背景で,生死という現象は「空」である永遠性(=自分)に還るものなのではないか.
 ・・・まあ,言いたいことは言い終わったので,最後に本に戻り,面白いと思ったページ番号を記す.
P24,28,34,39,40,43,59,62,63,68,75,76,79,82〜90,91,93,〜97,99〜102,108〜110,113,120,122,124〜130,132,.141.142,144,149〜151