太宰治

 前に読んだ4作品についてメモ.
人間失格』:文中とは関係ないが,「異常」そして「正常」とは何だろう.そんなものは存在しない.私にとってのことだけれど.
走れメロス』:メロスとセリヌンティウスと王様と作者と,読み手の私.
『斜陽』:「真性貴族」弟,「シニシズム犠牲者」小説家,「斜陽婦人」母,「或いは聖母」主人公.マイ・チェホフ→マイ・チャイルド→マイ・コメディアン→・・・
『グッド・バイ』:男は鴉声の女を使って愛人関係を清算しようとするが,果たして人間は「人間関係」から逃れることができるのか.小説は未完だが,あるいは作者の自殺はその答えの一つだったのかもしれない.