豊橋市周辺の道路網

 長くなるが新聞記事を引用する.まずは道路に関して.

 ・・・JA豊橋の販売高は2005年度で206億円.中京圏は3割で,京浜圏が4割,関西,北陸,甲信越がそれぞれ1割前後を占める.道路が整備されればこの地図が変わる・・・
 東三河では,道路整備が遅れているとの焦燥感が根強い.三河港から東名音羽蒲郡インターチェンジまでのアクセス時間は35分(国道交通省調べ)かかり,他の港湾に比べ突出して時間がかかる・・・
 豊橋商工会議所が今年から音頭をとって,ようやく臨海部から高速道路へのアクセスなど東三河地方の道路網の優先順位を付ける作業を始めた.調査には豊橋市も加わった.(豊橋商工会議所の)磯村副会頭は「どの自治体も本音では,自分の地域で道路整備を進めてほしい.利害が異なる各自治体の意見をまとめるのが豊橋市の役割だ」と期待を込めた.

中日新聞18年8月4日朝刊 市制100周年を迎えて 豊橋への期待(3)「幹線道路」より

 次は港湾に関して.

 5兆9千億円−.東三河地方に静岡県湖西市を加えた経済圏の2004年の工業出荷額だ.自動車を中心とした製造業を核に,岐阜県(4兆9千億円)を優に上回る.
 この経済力を支えているのが三河港だ.県によると豊橋蒲郡,田原,御津の3市1町の臨海部の製造,物流業は2万人の雇用を創出する.豊橋市では税収510億円のうち,約15%を臨海部の企業が占めている.
 三河港は自動車の輸出入の拠点として知られる.だが,将来の発展を考えると,自動車だけでなく,コンテナの充実による総合物流の一層の強化策が求められている.
 現在,定期コンテナ航路は中国,韓国との間に週6便ある.1999年に5100個(20フィート換算)だったコンテナ取扱数は昨年,3万個を超えた.県は今後,中国や東南アジアから工業部品や農水産物が増え,10年後には13万個に達するとの見通しを示している.08年までに2基目のクレーンを完成させる予定だ.
 だが,輸出する貨物が少ないのが課題だ.04年をみると,からコンテナが9000個もあった.三河港豊橋コンテナターミナル管理運営協議会の石川会長は「運送のバランスがとれず,船会社の採算が合わない.だから航路も増えない」と厳しい見解を示す.
 シンクタンク東三河地域研究センター」の戸田常任理事は「経済を臨海部だけで完結させてはいけない.今後は港と内陸部の産業をどのようにつなげるかが課題」と指摘する.
 ライバル港の動向も軽視できない.静岡県御前崎港や清水港の整備に力を入れ,三河港がターゲットにする浜松市周辺の市場を確保している.北東アジアとの経済依存が深まれば,九州や日本海側の港と競争になるとの見方もある.
 1962(昭和37)年に誕生した三河港.後発ながら,自動車産業が集中する愛知県の特性を生かして発展してきた.経済の後背地をどこまで広げられるか.百年後の姿に大きく影響しそうだ.

中日新聞18年8月5日朝刊 市制100周年を迎えて 豊橋への期待(4)「三河港」より

 (4)はほぼ全文を引用したが,(3)と合わせて東三河地方および豊橋市にとって非常に重要な課題だと思う.農産物の出荷先の市場を拡大するにも,三河港へのアクセス改善するにも,三河港がある臨海部と内陸部との産業連携を図るにも,現状では道路整備が不十分かもしれない.東名高速道路浜名湖を北回りで迂回するため豊橋市から離れている.そのため,三河港を含む豊橋市の各地から東京方面に向かうには浜松IC,名古屋・大阪方面に向かうには豊川ICか音羽蒲郡ICを利用することになる.しかし,いずれの場合も市街地を通過する必要があったり,主要幹線道路のバイパスが未完成であるために,かなり時間がかかる.産業の一層の発展のためには道路網の改善が必要だと思う.